「人間関係に悩んで前に進めない、現状を変えられない人への処方箋」 幸せになる勇気を読んでみた。 書評 レビュー 口コミ
嫌われる勇気の続編、幸せになる勇気を読みました。
前作では語り切れなかった部分を補足していて、完結編というのも納得です。
この本を進める理由の一つとして、読みやすさがありますね。
全体を通して青年と哲学者の対談形式で話が進むので、
よくある自己啓発本のように堅苦しくありません。
また所々で前作で話された内容をまとめてくれていたので、
その点もありがたかったです。
ただ、飲み込むには時間がかかる内容なので何度か読み返すことになりそうですね。
さて。このお話は、前作の三年後から始まります。
前作で悩みが解消し晴れ晴れとした顔で去っていった青年が、
再び哲学者の元に訪れてこう言うのです。
「アドラーの教えを広めようと教育者になったが、全然役に立たない。」
「アドラーの教えなどペテンだ。即刻その考えを捨ててほしい」
哲学者はその問いにこう答えます
「アドラー心理学ほど誤解しやすく分かりにくい教えはない。」
「もしもアドラーの考えを知って、すぐ「生きることが楽になった」と言っている人がいれば、その人はアドラーを誤解している。」
と。
前作は言うなればアドラー心理学の入り口のようなものでした。
本作は青年が向き合うことになった教育の問題から話が始まるのですが、
最終的に「真の自立」や「愛」について語っています。
こう聞くと壮大なテーマなのですが、その語られる言葉にハッとさせられることも多かったです。
ぐさりと来たのは
承認には終わりがなく、その先は依存でしかない。
だから「わたし」の価値を自らが決定することで自立するべきだという教えです。
私も身に覚えがあります。
他の誰かにねじを巻いてもらわないと動けない人形と同じだと言っています。
自分のねじは自分でまかないとですよね。
特に、作品の中で語られていた、こんな自分を愛してくれる人なんて、この世に存在しないという考え方はまさに自分の事ではないかと思いました。
私がこの本を読んで学んだことは自ら愛することの大切さです。
愛してもらうことは強要できません。
なぜなら、わたしを愛するかどうかを決めるのは、
あくまで他人の課題で、わたしが介入できる問題ではないからです。
それでも、人を愛することはできる。
誰かを待っているのはもう飽きました。
人は幸せになる勇気をもって、幸せになるんです。
いつか、なれるんじゃない。なると決めてなるんです。
あくまで運命を切り開くのはわたしなんです。
そのように思いました。
あとがきで岸見さんはこのようにおっしゃっています。
「アドラーを学ぶだけでは、なにも変わりません。知識として知っているだけでは、 ひとつも前に進みません。」
頑張っていこうと思います。